わたしはここにいるよ

インターネットの片隅で愛を叫ぶ

【前編】予備校の彼。あなたのこと、忘れません。

みなさま、こんにちは。葉月ひろなです。このブログのデビュー記事であるスピリチュアルと現実の狭間で - わたしはここにいるよを執筆、投稿して、さて次の記事ではなにからお話していこう。と考えておりました。スピリチュアルについて?それとも現実について?そもそもスピリチュアルと現実の狭間ってなに?それをお話する前に、今回はわたしの「忘れられない恋」の昔話におつきあいいただけたらと思います。
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どこにでもありふれている、普通の恋でした。しかしその普通の恋は、今でもわたしの宝物です。スピリチュアルと現実の狭間で - わたしはここにいるよでサイトを運営していたと書きましたが、そのサイトは当時「彼」とおつきあいをしていた頃に、わたしの淡い恋心を主に記しておりました。そのデータが今はもうどこにもないということに、今でも哀しみを覚えます。だから、新しくブログを立ち上げたら、もう思い出話になってしまうわたしのその恋を、今のわたしの言葉で綴ろうと決めておりました。わたしの心の中の宝箱に眠る、たいせつな日々の、昔話です。
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わたしは15歳の春に、心の病の診断を受けました。中学3年の終わり、高校1年のはじまりの時期です。進学した全日制の高校は、入学式から数週間で休学を申し出ました。当時は心の病について、今ほど認知度がなかったというか、知名度がなかったというか、とにかく病について「隠す」傾向があったように思います。世間体を気にしすぎるわたしの両親故の「隠す」だったかもしれません。学校にも正式な診断名ではない病名を休学届に書きました。
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休学から3ヶ月ほどで一度復学し、クラスメイトの男子学生と恋もしました。人生ではじめての彼氏でした。その時、人からはじめて「抱きしめられる」経験をしました。そして「抱かれる」初体験もしました。しかし3ヶ月ほどでお別れをします。それからはそんな短命な恋の繰り返しでした。短命であっても繰り返し次々と異性から告白を受けました。そんないわゆるモテ期と呼ばれる黒歴史の中でわたしは生まれてはじめて「男性の性欲」に触れ、その欲望の底知れなさに失望をしました。大人になった今、そんな男性の欲望を「かわいいな」ぐらいに思っているわたしですが、まだ少女だったわたしにとっては大変汚らわしいものでした。
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結局全日制の高校は、出席日数が足りなくなり、高校1年の終わりに退学を申し出ます。その後、都内の通信制の高校に入り直し、昼間はコンビニでアルバイトをする生活になりました。記憶が定かではありませんが、この頃も精神科の薬は服薬していたと思います。当時の向精神薬は副作用が非常に強く、そのひとつとして口の中が常に薬の苦い味でいっぱいで、白い唾液でベトベトでした。わたしはその副作用も嫌だったし、通院を重ねても「いったいこの診察になんの意味があるのだろう」と度々感じていたことから、いつしか通院をやめておりました。「治った」という確かな認識はありませんでしたが、時が経つにつれわたしの中で「昔、心の病を患っていた」という感覚になり、服薬をしていたことも過去のものになりました。
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通信制の高校に在籍しながら、そこで取得した単位、全日制の高校でかろうじて取得していた単位、そしてその他の科目を大検(現在の高卒認定試験)の受験で補い、大検を取得しました。本来なら高校2年の終わり、通信制の高校に入り直した1年後のことです。「人と遅れることなく、大学入学を」が当時の両親とわたしのスローガンでした。「若い時の1年2年の遅れなんてたいした問題ではないですよ。そんなに急がなくても」という通信制高校の担任にありがたい言葉をいただきながらも、わたしは通信制の高校も退学し、大学入学試験に備えるため、本来なら高校3年の4月、予備校へと入学をします。そこで、「彼」と出会いました。
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大検を取得したことから浪人生の通う昼間のクラスに入学したわたしは、まわりの誰もが年上でした。しかしそこには排他的な空気は微塵もなく、最初からとても居心地の良かったことを覚えています。すぐに友達ができました。みんな本当によくしてくれました。10代の頃って1歳2歳の差がとてつもなく大きく感じるものだと思うのですが、その空間にそんな壁は一切なく、おかげでわたしは自然体のままでいることができました。全日制の高校でも、通信制の高校でも、ひいては中学時代も感じることのできなかった「楽しい学生生活」を、わたしは予備校ではじめて味わいました。
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そんな学生生活の幕開けから数週間が経った頃、「彼」がわたしに声をかけてきました。金髪で、オレンジ色のTシャツで、とてもまぶしかった。わたしは文系のクラスで、「彼」は理系のクラスでしたが、英語の授業だけは文理合同だったのです。その英語の授業の度に「彼」に話しかけられ、連絡先を聞かれ、放課後は一緒に自習室に行こうよと誘われる。今思えばわかりやすすぎるアプローチから始まりましたが、当時のわたしはそれをアプローチだとまったく認識しておりませんでした。わたしによく話しかけてくれる「友人」のひとり。その「彼」からのアプローチに徐々に心をひらいていくことで、少しずつ少しずつ、「彼」のことを知っていき、頻繁にメールを交換するようになっていきました。
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気がづいたら「好き」になっていた。気がづいたら「彼」が友人以上の特別な存在になっていた。そして「彼」から告白を受け、わたしたちは恋人になりました。なんだろう。今これを書いているだけで、涙が出そうになります。それだけ純粋な、まっしろな、まっすぐな気持ちで「彼」に恋をしました。
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「彼」と過ごす場所は、いつも放課後の自習室でした。息抜きに予備校近くの公園に行ったり、たまには場所を変えようとカフェで一緒に勉強をしていました。お互いに目指すものは大学入試。その恋は勉強を邪魔するものではなく、勉強の活力となり励みとなるものでした。
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しかし、「彼」も健全な男の子です。性に対して関心がないわけがないのです。わたしは正直に「こわい」「そういうことはまだ受け入れられない」と打ち明けました。男性の性欲は汚らわしい。一度心にこびりついたそんな認識はそう簡単に払拭できるものではありません。
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「彼」はそんなわたしの意思を尊重してくれました。普通のことかもしれない。でもわたしにとってははじめて自身の女性性を尊重された出来事でした。もちろんふたりきりでいた時に勢いあまって…となりそうなことがあっても、「彼」はちゃんと理性で欲を止めてくれました。押し倒そうとした両腕でぎゅっと抱きしめ、「…ごめん。こわいよな」と言われた時のことを、昨日のことのように覚えています。普通のことかもしれない。それでもわたしは「愛」を感じました。まだ、まだ、葛藤もいりまじっている、未熟な「愛」のかたち。それをまっすぐにぶつけてきてくれる「彼」。それまで、わたしは自分以外の他人を信頼する心をどこかに置き忘れていたように思います。どこまでもまっすぐな「彼」と過ごす日々は、そんなわたしの心の扉を少しずつ開けていってくれました。少しずつ開けていった心とともに重ねた「彼」との身体の関係は、それまでの「汚らわしい」という感情を、忘れさせてくれるものでした。
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「彼」という人柄をひとことで表すならば、「正直者」です。人によっては「彼」のその正直すぎるところが欠点としてうつると思うのですが、わたしに与えるものは「安心感」でした。たとえば2日続けてふたりで出かけたあとに、わたしが「楽しかったね」とメールを送ると「楽しかったけど、疲れたわ!」と返ってくる。わたしはそこで安心感を得るのです。この人は、嘘はつかないんだ、と。
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周りの意見に左右されることなく、「自分の好きなことを貫く」姿もだいすきでした。「髪は金髪か黒髪!」と決めてその間の茶髪という文字は俺の辞書にはないのだ、というこだわりや、「思い立ったから自分で切った!」といきなり髪型をアシメトリーにしてくるところ。ビジュアル系バンドを敬愛する「彼」の生き方はロックそのもので、そんな彼の「好きなことをとことん貫く」「周りの目を気にしない」ところは、当時のわたしにはなかった美学でした。自分の中に存在しない価値観で生きている「彼」は、第一印象で感じたまま、ひたすら、「まぶしかった」。そして、最高に、かっこよかった。

 

 

 

長くなって参りましたので、この昔話は前編と後編にわけて、続きをまた更新したいと思います。ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。

 

ではまた、この場所で。

わたしは、ここです。ここに、いるよ。

 

【後編】予備校の彼。あなたのこと、忘れません。 - わたしはここにいるよ

 

葉月ひろな(Hirona Hazuki)

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