わたしはここにいるよ

インターネットの片隅で愛を叫ぶ

【第六章】元夫「勇気」との日々。わたしの学んだ、あなたの「勇気」

ちょっと落ち込んでいるこのお話の監督・オナニストサイボーグ葉月ひろなです。こんにちは。監督、なんでそんな落ち込んでいるんですか?だってはしょっちゃいけないエピソードすっ飛ばされちゃったんだ。え?それでいいって言ってたじゃないですか?むしろ書き加えるのがめんどうだという理由だけでそのまま更新ボタンポチったのあなたじゃないですか。違うんだ!お父さん何が違うんです?俺はその書き加えるのがめんどうなエピソードは、ちょっと悲しいエピソードだったから、あえてはしょったとこがあるんだ!この話の流れでそのエピソードは話しちゃいけないって俺の本当にあるのかもわからない第六感が叫んだから、あえてはしょったんだ。でも!その俺のすっ飛ばしてほしくなかったエピソードはめっちゃ嬉しいエピソードで、しかもそれこそが、当時の葉月ひろな(22)が、最終的に岩本勇気(26)とのデートに行こうと決めた最大の理由で、この後の10年間のお話にも10年間ひたすら繋がっていくエピソードなんだ!そんな大事なエピソードを!俺は!俺は!昨日前回の記事を書いていた時に、忘 れ て い た ん だ………!それ忘れる!?お前どうでもいいことをこれでもかと事細かに覚えていては自分だけじゃなく周囲も苦しめるお前が、それ忘れる!?っていうひたすら何の役にも立たない俺の脳みそ!俺のツイッターとかこのブログを以前から読んでくださってる方は知っているかもしれないけど、俺の脳みそのバランスはひたすらガタガタなんだ!昨年そのガタガタがわかった。主治医は前からわかっていたらしいけど、俺が自覚したのは昨年。IQは人より少し高いらしい。けど本当にほんのわずかなミリ単位でしか高くない。しかもその他が低すぎる。あり得ないぐらい低すぎる。俺にとっちゃ全力出してその低すぎる箇所の脳みそフル回転させても「なんでお前これ出来ないんですか?今まで34年間何してきたんですか?」って言われる、俺のポンコツすぎる先天性のバランスがガタガタな脳みそ!いっそもう本当にサイボーグにしてくれ!!!!!!こんなひたすら中途半端な効率悪い人生いやだーーー!!!!監督、荒れてるね。そっとしとこうか。あの人ならとことん落ち込んでウジウジしたあとにいきなり立ち上がるから。何事もなかったようにそれでもちゃんと後悔しつつ立ち上がるから。なぁ!聞いてくれよ!そのエピソードな!わ、監督。もう立ち直ったんですか。そのエピソードな!前回葉月ひろな(22)が眠りにつく2007年4月26日の夜中の、この葉月ひろな(小娘)が眠りにつく5分か10分ぐらいか30分ぐらい前のエピソードなんだ!曖昧ですね。中途半端に曖昧ですね。だけどさ!確かに俺は前回の記事でみんなをタイムマシーンに乗せた!けど5分か10分か30分前ってそんな10年間でいったらミリ単位なタイムスリップみんなにさせるわけいかないじゃん!?あ、それはわかるんですね。あなたひたすら常識からはずれてる人生歩んできたのに、それはわかるんですね。なぁ!!どうしたらいい!?もう前回の記事は上映させちゃったよ!?読んでくれた人いるよ!?俺のスマホからは読んでくれた人の人数がわかる!!こんなんわからなければしれっとそのエピソード付け加えるのに………!あなた【【第二章】元夫「勇気」との日々。わたしの学んだ、あなたの「勇気」 - わたしはここにいるよ】で、あとからしれっとエピソード付け加えたのに?あ、これ忘れちゃいけなかった☆テヘペロ☆って、あなたにしちゃ多すぎるアクセス数いただいたあとにしれっと付け加えたのに?自分では当たり前だと思っているから説明しなかった学歴についてとかも【【第一章】元夫「勇気」との日々。わたしの学んだ、あなたの「勇気」 - わたしはここにいるよ】にしれっと付け加えたのに?他にもミリ単位な説明のエピソードこの連載の他の記事でも付け加えたよね確か?【前前前世からずっと。来来来世までもいつまでも。 - わたしはここにいるよ】もかなりあとからエピソード思い出してツインレイのセオリーもそれに対するあなたの考えも大幅に付け加えたのに?こんなに付け加える?【コンビニ24時間営業、ダメ。絶対。 - わたしはここにいるよ】でコンビニの仕事に異を唱えてる場合じゃないよ?ってぐらいそのロイくんとのエピソードでは足し算したのに?うるせぇ!!!今回はそれをしちゃいけないのがなんとなくわかるんだ!!!!!なんとなくしかわからない監督の脳みそ。草草。どうしたらいいかお前ら考えろ!!!!!監督、自分で考えましょう。自分の人生ぐらい自分で決めるって決めたでしょ。【あなたの想っている人がツインレイじゃなかったら。その時、あなたは? - わたしはここにいるよ】でもチェイサーに対しては結構厳しい言葉で自分の人生自分で決めろってあなた書いたじゃん。俺の脳みそがポンコツだから早くサイボーグにちゃんとしてくださーーーーーーーい!!!!!!!!!!監督、人間、やめちゃったね。草草。

 

本当にどうしたらいいかわからないので、お話しながら考えます。わたしは誰?今はいつ?ここはどこ?けどわたしは確かにここにいる!監督オナニストサイボーグ葉月ひろなです。こ ん に ち は(涙目)!

 

はじめての方はこちらから

【第一章】元夫「勇気」との日々。わたしの学んだ、あなたの「勇気」 - わたしはここにいるよ

【第二章】元夫「勇気」との日々。わたしの学んだ、あなたの「勇気」 - わたしはここにいるよ

【第三章】元夫「勇気」との日々。わたしの学んだ、あなたの「勇気」 - わたしはここにいるよ

【第四章】元夫「勇気」との日々。わたしの学んだ、あなたの「勇気」 - わたしはここにいるよ

【第五章】元夫「勇気」との日々。わたしの学んだ、あなたの「勇気」 - わたしはここにいるよ

↑サイボーグになった詳細とそのサイボーグが答えを見つけて世界が拓かれるまでとちょっとしたタイムスリップです。

 

あの晴れた春の日。

2007年4月27日。いつも飲む睡眠薬が切れてぼんやりとした頭で目が覚めました。岩本勇気さんとは10時に待ち合わせしている。あの九州でのマルキューみたいなのがある、この街の都心部。その駅の南口でね、って言われた。南口、どこだろう………たぶん行けばわかると思う。あ!わたしがいつも自転車を停めている場所の近くが確か南口。あそこか。今は………8時。これからお化粧すれば、時間余裕あるな。わたしの家からは、その都心部はいつも自転車で30分ぐらいで着くから。その時計を確かめたガラケーに、岩本勇気さんからメールが来ました。

 

「おはよー」

 

うれしい。同じ時間に起きたのかな。昨日、メールでやりとりをしていたら「電話で話してみようか」って勇気さんは言ってくれて。番号を教えてもらってわたしからかけたら「もっしもっし♪」って、元気なんだけどすごくやさしい声で電話に出てくれて。いつも誰かに電話をかけたら「もしもし?」って、どこかぶっきらぼうな感じでみんな出ていたのに、それが普通だと思っていたのに、すごく楽しそうに、その最初の一言で「電話待ってたよ」って言ってもらえたように感じて。思わず、笑っちゃったんだ。こんな人、いるんだ。って。

 

「おはよう!今からお化粧するよ。濃くならないようにしなくちゃね!」

 

そんなメールを返しました。それからメールを交わしながらお化粧をして。マスカラは1度塗り。いつも3度塗りしてたから自分には物足りないんだけど、そろそろメイクも落ち着かなきゃだし。チークも薄め。くちびるもグロスのみ。そんな簡単なお化粧なのに、メールを交換しながらだから、なかなか進まない。けど。楽しい。

 

自宅には、その時は父も母もいなくて。父は仕事に、母は大学に通っていました。父も母もこの時50代でしたが、高卒の母を見兼ねて、父がお金を出して母を大学に通わせていたのです。そろそろ家出なきゃなぁ…………と思った瞬間、家の鍵がないことに気がつきました。あれ!?なんでない!?いつもこの玄関の横に置いていたはずなのに……!バタバタと自室に戻って、自分のカバンを片っぱしから探しました。ない!ない!どうしよう!とりあえず、勇気さんに連絡入れないと!

 

「ごめん、家の鍵がない!探してる!」

そうメールを入れたら

「俺は今電車に乗ってるよー(^^)」

って返ってきた。やばい。早く見つけないと。この人との待ち合わせには、遅れたくないんだ。

 

その後10分ぐらい探していたら、こんなとこにある?っていうカバンから鍵が見つかって。わたしひたすら部屋の片づけも苦手だし、どのカバンに何を入れておいたのかも、いつも忘れてしまう。女子力低い!そんなこと嘆いている場合じゃない!早く、自転車に乗らないと!待ち合わせの10時まであと20分しかない!

 

お気に入りの水色の自転車にまたがって、全速力で都心部に向かいました。道は比較的平坦だから、いつも鼻歌うたいながら走る道。今日はそんなのんきに自転車こいでいる場合じゃない。はやく、行かなきゃ。はやく、勇気さんのところに。はやく、あの人のところに、行かなくちゃ。

 

信号待ちで携帯を開いたら

 

「南口着いたから、近くのベンチに座ってるね(^^)」

 

そうメールが来ていて。やばい、もう待ち合わせの場所に着いてる。てか、ベンチってどこ?わたしは誰かと南口で待ち合わせをしたことがないからわからない。けど、きっと行けばわかるから。はやく、行かないと。あの人だけは、待たせちゃいけない気がするんだ。

 

そうしてひたすら全速力で自転車をこぎました。わたしはもともと汗かきなので、途中から汗が身体中に吹き出します。この九州は、関東より、暑い。まだ4月なのに。きっとお化粧も崩れてる。もう崩れてる。あんなに時間かけたのに。けど、そんなの気にしている場合じゃない!

 

必死に到着した南口。

ようやく南口に着いて、携帯の時計を確認したら、10時を数分まわったところ。よかった、今日は20分でここまで自転車で来れた。自転車はまだ自転車置き場には置きに行かず、そのまま勇気さんに電話をかけました。

 

「もっしもっし♪」

「あ、あのね……!今着いた!ベンチって、どこ?」

「あ、着いた?ならそこにいて、俺が行くから………って」

 

「いた。」そう勇気さんの声がして。下を向いて電話をしていたわたしが顔を上げたら、目の前に勇気さんが、携帯を耳につけながら、歯を見せたやさしい笑顔で立っていました。昨日見た写メの、NEWSの小山くんみたいなんだけど、笑っているからかな。写真の印象とは違うんだけど。でも、この人の笑顔は。なんで。こんなに、見ただけで人を安心させられる、笑顔なの。なんでその笑顔には。言葉には表せない、やさしさが、つまっているの。まるで。そこにいるだけで、周りが、世界が。明るくなるような。

 

「ごめんね!待たせてごめんね!」

 

電話をオフにしながら、水色の自転車の横でそう言うわたし。汗だくです。ビームスの黒いお尻まであるトップスに、濃いインディゴブルーのスキニー。靴はペタンコの白い靴。靴紐を自分で黒いレース変えていました。髪は少しパーマがかかっている、茶色いセミロング。白いレースをカチューシャのように髪に巻いていました。その髪も乱れているし、もう化粧は崩れている。この時はもう医療用コルセットは外していました。そんな、汗だくの、女。

 

「汗だくやな!」

「うん、急いできた!」

「鍵なかったもんな」

「なんで鍵ないの?って感じだった!」

「自転車どうする?どこに停める?」

「あ、そこのショッピングビルの地下に自転車置き場あるんだよ。いつもそこに停めてる」

「へー知らんかった」

 

そうして一緒に地下まで自転車を置きにいって、「ちょっと、お金おろしに行きたい」というわたしを、勇気さんがATMまで案内してくれることになり、再び地上に出ました。春の日差しが、まぶしかった。まるで、F田先生に閉鎖病棟から外に連れていってもらえた、あの最後のリハビリの時のように。

 

「わたしさーほんと汗かきで。小学生の頃から体育の度にわたしだけ汗だくでさ!」

「あーわかるわかる。俺は身体にはあまり汗かかないんだけど、手のひらがすごい汗かくんだよ。でもな?この手のひらの汗を止める手術をしたとするやんかー。そうしたら、身体の他のとこから汗が吹き出すんだって!人間の身体ってよく出来てるよなー」

 

自分の手のひらを指差しながらそう話す勇気さん。この人、色んなこと知ってるんだな。ほとんどの人はそれを知らないと思うよ。勇気さんは関西で生まれたらしく、育ったのは長崎の五島列島。中学生の時に九州本土に来たらしい。そのためか、他の人が話す方言とは、少し違う。だけん、とかも話すし、関西弁も少し混じっている。「他の人と違うやろ?これは“俺弁”やねん。昔は“俺”じゃなくて“わし”とか言ってたしな」そう笑顔で話す勇気さん。なにそれ!おかしい。黒歴史じゃん。ってわたしも人のこと言えない。でも、なんて、楽しい人なんだろう。

 

そうしてATMに着いて「今日いくらおろせば1日遊べるかな?」そう訊くわたしに「3000円ぐらいじゃない?」と言われたので、少し余裕を持たせて4000円をおろしました。

 

「お腹すいてない?」

「あ、すいてる。朝ご飯食べてこなかった」

「近くにミスドがあるから行こうか」

「うん!」

 

そうしてミスドに行ったら、勇気さんはひたすら甘いドーナツを選んでいて。まぁミスドに来たら、だいたい甘いドーナツが多いしね。でもわたし、甘いもの苦手。しょっぱいのがいい。わたしはウインナーのパイを選んで、席に着きました。

 

ミクシィのプロフィールに書いてあった病気って、なんなん?」

「あ、えーとね………わたしもうまく説明出来ないんだけど…………たまに感情がコントロール出来ない。だから行動までコントロール出来なくさ。それで落ち込んだり、自分傷つけちゃう」

 

そう言いながら、左腕のリストカットの、もう薄くはなったけど、医療用ホチキスみたいので縫わなければならなかった、確かに深い複数の傷を、少しだけそでをめくって見せました。初対面だけど、この人にこれを隠すことはないと思ってしまったのです。腰の爆弾については、この時はまだ話せません。でもそんなわたしを、ただひたすら、やさしく見つめてくれるのです。責めることなく。肯定もすることなく。今までの自分の学歴のなさも話したと思います。中学もまともには行けなかった。高校も2回中退した。大検はとったけど、それで大学に入学したのに、その大学でさえ、中退した。働きに出たことはあるし、高校の時はコンビニでバイトもしてた。なのに、なぜかいつも、長く続かない。入院をしたこともある。今は主治医から自宅で療養をするように言われてる。

 

そんな話をするわたしの左腕のリストカットの傷を、勇気さんはやさしく撫でてくれました。左腕だけじゃないんだ。右腕にもあるんだ。そんなあまりに馬鹿なわたしの腕の、深い傷。そんな風にやさしく撫でてもらったのは、はじめてで。なんで初対面なのに、あなたはそんなにやさしいの。なんで。こんなことで、わたしの胸は高鳴るの。なんで。こんなに。うれしいの。

 

「食べたね。じゃあ、行こうか」

「うん!」

 

はじめてのラウンドワン

そうして再び外に出て、近くのラウンドワンに行きました。でもわたしはラウンドワンははじめて。そもそもそんな娯楽施設があるだなんて知らない。それまで友達と遊びに行っても、恋人と遊びに行っても、だいたいがショッピングだったから。こんな、遊園地みたいな室内の娯楽施設があるんだ。この人、本当に、なんでも知っているんだな。

 

そこで生まれてはじめてのビリヤードを教えてもらいました。棒の持ち方、玉の打ち方、どんなルールで勝敗を決めるのか。その棒の先にはチョークのような粉がついているらしく、わたしがうっかりその棒の先を勇気さんの服につけてしまって。ちょっとだけ、おい!この服高いんだ!って顔をするんだけど、それでも許してくれて。わざとじゃないから?わざとじゃないから許してくれるの?でもわたし、わざとじゃないのに失敗をしてしまったら、よくお父さんに怒られていたのに。そうしてゲームを始めるのだけど、わたしはまだこの時は体力がひたすらなくて。少しだけゲームをしただけで、疲れ果ててしまう。「ごめん、休みたい」と言ったら、それでも許してくれる。今日は、ビリヤードをしに来たのに。

 

「ちょっとそこにいてな」

 

そう言われて、足のつかない高い椅子に腰かけていました。ビリヤードをするためのこの部屋は、たくさん他にもビリヤードを楽しんでいる人がいるけれど、なんだか薄暗い。疲れた………なんでこんなに疲れるんだ…………小学生の時は文化系のブラスバンド部だったけど、トランペット吹いていたから肺活量はあったし、マーチングで主指揮をしたこともあるのに。中学生の時もバスケットボール部だったし、全日制の高校で所属していた男子ハンドボール部ではマネージャーとして球拾いに明け暮れて毎日走っていたのに。大学の軽音楽サークルでも、その練習の帰りに終電を逃さないようにみんなでダッシュして、ずば抜けてわたしは足が速くて、なんでそんなに速く走れるんだひろなちゃん!って男の先輩に言われたのに。今はひたすら体力がこんなにない。けど。今日、楽しい。楽しすぎる。なんでこんなに楽しいのか、わからないけど。ただただ、楽しい。色んな世界を知っているあの人といるのが、こんなに、人生で一番、楽しい。

 

「楽しいね。勇気くん」

 

そう、どこかに行ったかわからない勇気さんにメールを送りました。このメールを送らずには、いられなかった。なぜかこの人には、最初からわたしは敬語を使っていなかった。関東の開放病棟は、基本的にどんなに年齢が離れていようと、みんなタメ口で。でも九州の飛び降りをした開放病棟は、タメ口を基本してはならないとされていて。それからは必ず目上の人には敬語を使っていたのに、なぜかこの人には、最初からわたしは敬語を使っていない。それをあの人は、怒らない。

 

ふっふふーん♪みたいな鼻歌をうたいながら、勇気さんがストローのささった飲み物を2つ抱えて帰ってきました。あ、メール読んでくれたのかな。勇気さんも、楽しいのかな。そうだといいな。そうだといいな。え?そうだといい?なんで?なんで、今、こんなに同じ気持ちでいたいの?わたし、勇気さんのこと好きなの?もう好きになっちゃったの?今日、会ったばかりだよ?わたし、どうしちゃったの?

 

「はい、コーラ買ってきた。コーラでよかったかな」

「ありがとう!いくらだった?今返す………」

「ああ、いらんいらん」

「え!?」

 

わたしはカバンからお財布を出そうとしながら狐につままれたような顔をして。え?だって、これ、わたしが飲むんだよ?わたしの胃袋に入るのに、なんであなたがお金を出すの?なんでそれを返さなくていいって言うの?デートは基本割り勘だし、それぞれの飲み物や食べ物は自腹が普通なのに。そうして大きなコーラを渡されて。

 

「上の階にな、休憩出来るとこがあるみたい。そこに移動しよう」

 

そう、やさしく笑ってくれて。

 

だめだ。こんな人、はじめてだ。こんな人、こんな人、本当にいるんだ。はじめての電話でも「電話待ってたよ」って言わんばかりの「もっしもっし♪」って声で出てくれる人。なんでも知っていて、なんでも教えてくれて、わたしがヘマをしても、怒らない人。わたしの過ちを、怒らない人。そんなわたしに、飲み物を買ってきてくれる人。どこか休憩出来る場所を探してきてくれる人。こんな、人。だめだ。もうこの胸の高鳴りを、なかったことに出来ない。無視出来ない。無視しちゃ、だめだ。わたしこの人を、好きになってしまった。もう2度と恋なんて出来ないと思っていたのに。この「好きです」って気持ちを、伝えたい。今すぐ、伝えたい。わたしから告白して今までうまくいった試しなかったんだけど。この人は、きっとわたしのことは、好きじゃないけど。それでも。わたしから、伝えたい。「好きです」って。今すぐ、伝えたい。

 

「行こう」

 

そう言う勇気さんについていきながら、(次に会う約束ももうしている。両方楽しい日にしようって言ってくれたから。その日に、次に会った時に、伝えよう。今まで一度もうまくいったことのない“好きです”を。わたしの告白を。うまくいかなくても、いい思い出にしかならないから)そう思いながら、そう決意しながら、ドキドキはするんだけど、なぜか自分を全てさらけ出せる、今日はじめて会ったやさしいこの人の背中を、追いました。

 

はい、カーット!監督!今回はどうですか!?

たぶん大丈夫!たぶん大丈夫!大切なエピソードは何もはしょっていないと思う!だって俺はあの2007年4月27日を一生忘れないから。いくらこの10年後にツインレイと思われるロイくんに出会おうと俺はこの日を一生忘れないから。一生忘れない思い出はたぶん今も忘れてないから。忘れてないはずだから。でも俺の記憶回路はいきなりショートするから自分の意に反していきなりショートするから自信がないけどたぶん大丈夫!思考回路じゃなく記憶回路はショート寸前だけど今すぐ会いたいからこのままいっちゃって!ぼく、もう、この監督見捨てようかな………昭和末期生まれのこの監督いちいち古いからぼく何言ってるかわかんない……………。そんなこと言わないで!そんなこと言わないで!お前らからしたら俺は化石かもだけど俺からしたらお前らは宇宙人だしたぶん俺は見捨てられるのが人生で一番こわかったことだったから、そんなこと言わないであげて!今は別に誰に見捨てられようと知ったこっちゃないしそんなん誰もが自由意志だし宇宙でさえその自由意志はひたすら尊重するから俺も尊重するし今は自分軸しっかりしてるからそんな自由意志知ったこっちゃないんだけど、お前らに見捨てられたらなんかさみしいから!やめたげて!

 

果たして本当に岩本勇気(26)は、出会い厨じゃないのか………!?

こいつはセックスが目的ではないのか………!?

セックスが目的だとしたら、この大きなコーラたぶん当時100円か120円とかだから、安いよね!風俗行くよりはるかに安いししかも本番までいけるから、かなり安いよね!

大丈夫か世間知らずな小娘葉月ひろな(22)!!!!!

 

とぅーびーこんてぃにゅー!

監督!英語へったくそですね!

うるせぇ!またこの場所でな!

 

葉月ひろな

Twitter @hazukihirona

hazukihirona@gmail.com

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